特定技能

「登録支援機関に任せておけば大丈夫」介護施設の経営者が陥る3つの誤解と、自社支援化という第3の道

📖 約10分 2026-06-09

「登録支援機関に任せておけば大丈夫」介護施設の経営者が陥る3つの誤解と、自社支援化という第3の道


図: 制度比較(技能実習 / 特定技能)
図: 制度比較(技能実習 / 特定技能)

「人が来ない、辞める、また足りない」介護現場の永遠のループ

介護施設の経営者と話すと、ほぼ全員が同じことを言います。

「日本人スタッフの応募がほぼゼロ」
「特定技能で外国人を入れたけど、登録支援機関に丸投げで何が起きてるか把握できていない」
「3年経って気づいたら、自社で何も把握していない」

厚生労働省の調査によると、介護業界の有効求人倍率は約3.95倍(2024年)。一方、特定技能で来日する外国人介護人材は 累計4万人超(出入国在留管理庁・2024年)。

しかし—— 「特定技能の受け入れ機関でありながら、支援内容を自分では説明できない経営者が67%」(介護労働安定センター 2024年調査)

このコラムは、そんな経営者に向けて書きました。

「登録支援機関に丸投げで大丈夫」「採用さえできれば終わり」「5年後のことはそのとき考える」—— こうした"よくある思い込み"が、実は 法律違反リスクと離職リスクの両方を抱え込む ことになっていること。

3つの誤解と、その先の「自社支援化」という第3の道をご紹介します。


このコラムでわかること

  1. なぜ「登録支援機関に丸投げ」が構造的にリスクなのか
  2. 受入機関の支援義務10項目とは何か
  3. 5年後の在留期間切れに向けて何をすべきか
  4. 自社支援化という第3の選択肢
  5. それが向いている施設・向いていない施設
  6. 山口県で相談できる先

誤解① 「登録支援機関に任せておけば大丈夫」の構造リスク

📷 ケース①ビジュアル: 登録支援機関に書類を渡してその後を知らない経営者

【ケース1:山口県の介護施設A社(仮想・職員45名)】

特定技能スタッフ3名を受け入れた施設長は、「登録支援機関に月額5万円で任せている」と安心していました。

しかし、ある日入管調査が入って——

指導と是正命令が出て、追加対応に 約200万円のコスト。スタッフ1名は離職。

施設長のコメント: 「任せていると思っていたのに、任せきりにしていたんです」

この問題の本質

「登録支援機関に委託」は法律上 OK ですが、**「義務の主体は受入機関(施設)側のまま」**です。委託すれば責任が消えるわけではありません。

施設(受入機関)
  ↓ 法律上の義務
  ├ 支援義務10項目
  ├ 在留資格更新管理
  ├ 入管届出(住居変更等)
  ↓ 委託可能
登録支援機関
  ↓ 委託の限界
  ├ 義務の主体は変わらず施設側
  ├ 登録支援機関が廃業すると引き継ぎ困難
  ├ 入管調査時の説明責任は施設に

3つのリスクパターン:

パターン 内容
登録支援機関の廃業 全国で年間数十件発生(出入国在留管理庁発表)
支援内容の質低下 中堅以上の登録支援機関でも担当者次第で品質バラつき
外国人との関係希薄化 施設側が外国人スタッフの生活実態を把握できない

誤解② 「採用さえできれば終わり」という10項目支援義務の認識不足

📷 ケース②ビジュアル: 外国人スタッフに丁寧に書類を説明する日本人スタッフ

【ケース2:山口県の介護施設B社(仮想・職員32名)】

特定技能の外国人スタッフを採用。施設長は「あとは現場で頑張ってもらう」と思っていました。

しかし、3ヶ月後——

施設長のコメント: 「採用がゴールだと思っていたら、本当のスタートだったんです」

受入機関の支援義務10項目

特定技能外国人を受け入れる 受入機関には法令で10項目の支援義務 があります(出入国管理及び難民認定法):

# 項目 内容
1 事前ガイダンス 入国前の制度・職場・生活オリエンテーション
2 出入国時の送迎 来日時・帰国時の空港送迎
3 住居確保 家賃保証人含めた住居確保サポート
4 生活オリエンテーション 公共サービス・行政手続き等の支援
5 公的手続き等同行 住民登録・年金・健康保険等
6 日本語学習機会の提供 学習教材・教室の紹介
7 相談・苦情対応 母国語対応可能な窓口の設置
8 日本人との交流促進 地域行事への参加支援
9 転職支援 受入終了時の転職活動支援
10 定期面談 3ヶ月に1回の面談実施・記録保存

これらすべてを受入機関の責任 で実施しなければなりません(登録支援機関に委託しても、義務の主体は受入機関)。


誤解③ 「5年後のことは、そのときに考える」で訪れる崖

📷 ケース③ビジュアル: 多国籍の介護スタッフと長期計画を立てる施設長

【ケース3:山口県の介護施設C社(仮想・職員28名)】

特定技能1号スタッフ3名を採用してから 4年半。施設長は「もうすぐ5年だな、どうしよう」と考え始めました。

しかし——

施設長のコメント: 「あと半年で3人が一斉にいなくなる。今から採用しても間に合わない」

介護分野の特定技能制度の特殊性

📊 ※ 図解は本記事用に作成中です

介護分野の特定技能2号は2024年時点で対象外(建設・造船・自動車整備等のみ)。 そのため、介護施設では 5年で帰国 or 他資格への変更必須 という構造です。

5年計画の3つのポイント:

  1. 採用時期の分散: 同期入社をやめて1年差で採用
  2. 帰国時期の準備: 各スタッフの帰国半年前から後任採用開始
  3. 2号在留資格への移行可能性検討: 介護福祉士国家資格取得支援等

では、中小介護施設の経営者は何をすればいいのか

ケース1〜3を見れば分かる通り、特定技能の活用は 「受け入れ後の運用」が9割 です。

そこで提案するのが、**「自社支援化」**という第3の道。

自社支援化とは

📊 ※ 図解は本記事用に作成中です

自社支援化の12ヶ月プラン:

フェーズ 期間 内容
知識習得 1〜3ヶ月目 受入機関義務10項目の理解・関連法令の学習
体制構築 4〜6ヶ月目 専任スタッフ配置・支援記録テンプレ整備
並行運用 7〜9ヶ月目 登録支援機関と並行・徐々に内製化
完全移行 10〜12ヶ月目 自社のみで運用・登録支援機関の卒業

12ヶ月後には 月5万円/人 の委託費が不要に。年間で複数人分のコスト削減 + ノウハウ蓄積。


特定技能 自社支援化が「向いている施設・向いていない施設」

向いている施設 向いていない施設
既に1〜2名の特定技能スタッフを受け入れ済み これから初めて受け入れ予定
専任の人事/総務担当者がいる(兼任でも可) 経営者一人で運営している
多国籍化(複数国籍の採用)を進めたい 一時的な人手不足対応のみ
5年後・10年後を見据えた組織設計をしたい 短期での労働力確保が最優先
登録支援機関への依存に違和感を感じている 委託費が経営を圧迫していない

セルフチェック

以下のうち4つ以上あてはまれば、自社支援化を検討するタイミングです。


まとめ:3つの誤解と、解決のヒント

誤解 よくある選択 解決のヒント
① 登録支援機関に丸投げで大丈夫 全部委託 伴走型で受入機関の主体性を保つ
② 採用さえできれば終わり 採用後は現場任せ 採用3・支援7の意識転換
③ 5年後はそのときに考える 期限ギリギリで対応 5年カレンダーで計画的に

特定技能外国人材は、**「受け入れて終わり」ではなく「育て、定着させ、共に成長する」**もの。 自社支援化は、その第一歩です。


📷 対話シーン: 介護施設の経営者と特定技能コンサルの相談

山口県・周南市で特定技能の自社支援化を検討するなら

合同会社RYDEEN(RyDings事業部)は、山口県を拠点に 介護施設・建設業向け 特定技能 自社支援化伴走サービスを提供しています。

「登録支援機関にずっと月額を払い続けるのは…」「5年後が不安」——どの段階のご相談も歓迎します。

まず話だけでもしてみませんか? 初回相談は無料です。


「うちの場合はどうだろう?」

初回相談は無料です。中小企業の現場で答えを出すRINGSへ、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ →