社長の顔

「求人広告を出しても応募が来ない」中小企業の社長が陥る3つの誤解と、その先の解決策

📖 約9分 2026-06-09

「求人広告を出しても応募が来ない」中小企業の社長が陥る3つの誤解と、その先の解決策


冒頭ビジュアル: 応募ゼロの求人広告を前にため息をつく中小企業の経営者
冒頭ビジュアル: 応募ゼロの求人広告を前にため息をつく中小企業の経営者

「求人広告を出しても、応募が来ない」

最近、こんな悩みを聞かない月はありません。

「求人サイトに50万円かけて出したけど、応募ゼロ」
「ハローワークに通っているが、紹介もない」
「ようやく来た応募者も、面接でドタキャン」

厚生労働省「一般職業紹介状況」によれば、2026年4月時点の有効求人倍率は1.45倍。中小企業に限れば2倍を超える業種も少なくありません(建設・介護・運輸など)。

つまり、1人の求職者を2社以上で取り合っているのが現実です。

このコラムは、そんな社長さんに向けて書きました。

「もっと求人サイトを増やせばいい」「給与を上げれば来る」—— こうした"よくある対策"が、実は中小企業ではほぼ機能しないこと。そして、別の選択肢があること。

3つの誤解と、その先の答えをご紹介します。

挿絵01: 中小企業の採用難の現実 — 有効求人倍率2倍超・採用コスト平均73万円のデータ
挿絵01: 中小企業の採用難の現実 — 有効求人倍率2倍超・採用コスト平均73万円のデータ


このコラムでわかること

  1. なぜ求人広告を出しても応募が来ないのか
  2. 給与を上げれば本当に解決するのか
  3. 「採用」と「定着」を分けて考えていない問題
  4. 中小企業に向いた第3の選択肢(その名前は中盤で)
  5. それが向いている会社・向いていない会社の見分け方
  6. 山口県でできる相談先

誤解① 「もっといい求人サイトを使えば、来てくれる」

ケース①ビジュアル: PCに向かって複数の求人サイトを見比べる経営者
ケース①ビジュアル: PCに向かって複数の求人サイトを見比べる経営者

【ケース1:山口県の建設業A社(仮想・従業員28名)】

社長は1年前から、複数の求人サイトを試してきました。

合計1年で 140万円を採用に使い、結果は「ゼロ」。

社長の口癖: 「最近の求職者は、何を考えているのかわからない」

挿絵02: A社のケース図解 — 求人サイト渡り歩き → 応募ゼロ → コスト150万円損失のループ
挿絵02: A社のケース図解 — 求人サイト渡り歩き → 応募ゼロ → コスト150万円損失のループ

この問題の本質

求人サイトを増やしても効果がない理由は、**「求職者が見ているのは求人サイトだけではない」**ことです。

今の20〜40代の求職者は、求人広告を見たあとに必ずこれをします:

  1. 会社名で Google 検索(公式サイトを見る)
  2. 代表の顔・スタッフの様子を確認(顔写真・代表メッセージ)
  3. 口コミサイト(OpenWork・転職会議・Google マップの口コミ)
  4. SNS で検索(X・Instagram で会社の雰囲気)

この4ステップで「微妙」と感じたら、応募ボタンを押す前に離脱します

つまり、会社の Web 上の見え方が整っていない限り、求人広告にいくらお金をかけても応募は来ないのです。


誤解② 「給与を上げれば、応募が増える」

ケース②ビジュアル: 給与明細を見ながら頭を抱える経営者
ケース②ビジュアル: 給与明細を見ながら頭を抱える経営者

【ケース2:山口県の卸売業B社(仮想・従業員22名)】

社長は思い切って給与を上げました。

結果は確かに変わりました。応募が月1件 → 月3件に増えたのです。

しかし、入社した3名のうち: - 1名は3ヶ月で「思っていた仕事と違う」と退職 - 1名は半年で「他社からスカウト」を理由に転職 - 1名は1年で残った(しかし「給与」が一番の理由)

社長のコメント: 「給与を上げると、給与を理由に来る人が来る。もっと払う会社が出てきたら、すぐ辞める

この問題の本質

給与アップだけで採用すると、「お金で釣られた人材」が来ます

求職者の本音は、実は給与だけではありません。リクルートワークス研究所の調査では、転職の決め手として上位3つはこれ:

順位 決め手 割合
1位 仕事内容・やりがい 62%
2位 会社の雰囲気・人間関係 58%
3位 給与・待遇 54%

つまり、給与は「3番目」。トップ2は「やりがい」と「雰囲気」です。

そして、この2つは「お金では伝わらない」。だから求職者は会社の Web を見に来るのです。


誤解③ 「採用さえできれば、あとは現場で育つ」

ケース③ビジュアル: 入社直後の新人と先輩社員の対話シーン
ケース③ビジュアル: 入社直後の新人と先輩社員の対話シーン

【ケース3:山口県の介護施設C社(仮想・従業員26名)】

社長は「採用」までは何とかこぎつけました。Indeedで6ヶ月かけて、念願の20代女性スタッフを採用。

しかし、入社後の現実:

1人を採用するために費やしたコスト(広告費・面接時間・初期研修)= 約 80万円。それが3ヶ月で消えました。

挿絵04: C社のBefore/After図解 — 「採用すれば終わり」だった会社が、定着の仕組みで変わった
挿絵04: C社のBefore/After図解 — 「採用すれば終わり」だった会社が、定着の仕組みで変わった

この問題の本質

中小企業の多くは、「採用」と「定着」を分けていません

採用にお金と時間をかける。でも、入社後のフォローは「現場任せ」。これでは離職が止まりません。

採用と定着は、まったく別の業務として設計する必要があります

採用フェーズ 定着フェーズ
求人広告・面接 オンボーディング設計
給与・待遇の提示 メンター制度
Web上の見え方 1ヶ月・3ヶ月・半年の面談
採用ブランディング 評価・キャリアパス提示

**「採用に5かけて、定着に1」**という配分の中小企業が多いのですが、これを逆転させる必要があります。「採用に3、定着に7」。


では、中小企業の社長は何をすればいいのか

ケース3のC社が後から始めた取り組みとは何だったのか。

それが、**「採用ブランディング」**という考え方です。

採用ブランディングとは

採用ブランディング = 会社が求職者から「選ばれる存在」になるための一連の活動

具体的には3つの軸があります:

📊 ※ 図解は本記事用に作成中です

コスト感

形態 期間・コスト感 中小企業へのフィット
求人広告(リクナビ等) 30〜50万円/回 △ 単発・継続性なし
人材紹介エージェント 採用時 年収の30〜35% △ 高額・「とりあえず採用」になりがち
採用ブランディング伴走 月額10〜30万円 ◯ 採用と定着を同時に設計

採用ブランディングは「すぐに採用1人」が出るわけではありません。 しかし、半年〜1年で「応募が来る会社」「人が辞めない会社」に変わります


採用ブランディングが「向いている会社・向いていない会社」

正直に言います。 採用ブランディングは、すべての中小企業に向いているわけではありません

向いている会社 向いていない会社
社員10〜50名規模 5名以下(社長が直接口説いた方が早い)
経営者が「会社の顔」を出せる 顔出しNG・SNS全拒否
直近3年で離職率20%以上 既に離職率5%以下(仕組み完成)
業績は黒字(赤字補填の採用は別問題) 経営自体が傾いている
6ヶ月以上の伴走を許容できる 「今月中に5人欲しい」と短期で動く

セルフチェック

以下のうち4つ以上あてはまれば、採用ブランディングを検討するタイミングです。


まとめ:3つの誤解と、解決のヒント

誤解 よくある選択 解決のヒント
① 求人サイトを増やす 複数サイト並行掲載 Web上の見え方を整える
② 給与を上げる 月給アップ・賞与増額 「やりがい」「雰囲気」を伝える
③ 採用さえできればOK 採用に集中・定着は現場任せ 採用と定着を分けて設計する

中小企業の採用は、大企業のマネをする必要はありません。 求職者は「会社のストーリー」と「人」を見ています。

それが地方の中小企業が「選ばれる会社」になる、唯一の道です。


対話シーン: 採用ブランディング コンサルと経営者の建設的な打ち合わせ
対話シーン: 採用ブランディング コンサルと経営者の建設的な打ち合わせ

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