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「ITに強い人が来ない」で正社員を雇う前に。3つの手を、費用で見比べる

荒金 🗓 2026.08.07 ⏱ 約9分
AI・DX 「ITに強い人が来ない」。
雇う前に、3つの手を比べる。
DX
目次
  1. まず数字ひとつ。IT人材は45万人足りない
  2. 勘違い①「ITに強い人を1人雇えば解決する」
  3. 勘違い②「DXコンサルに頼めばやってくれる」
  4. 勘違い③「うちはDXなんて10年早い」
  5. 3つの手を、表で見比べる(費用つき)
  6. 外部CDOって何? 月いくら?
  7. 向いてる会社・向いてない会社
  8. もう一歩くわしく:用語・つまずき・ケース
  9. よくある質問

「人手不足って言うけど、特にITに詳しい人が来んのよ」。周南の社長さんに、何回も言われます。求人を出しても応募ゼロ。やっと来た人も、半年で辞める。この記事では、正社員で雇う・DXコンサルに外注する・外部CDOを月額で借りる。この3つの手を、費用と中身で見比べます。先に立場を書いておくと、うちはこの「別の手」を仕事にしている会社です。割引いて読んでください。それでも、勘違いの部分は本当に多いんです。

01まず数字ひとつ。IT人材は45万人足りない

45万人IT人材の不足2025年時点・経産省 DXレポート78%DX担当がいない地方の中小・中小企業白書2024
図:IT人材は、みんなで同じ穴を取り合っている

経済産業省の「DXレポート」だと、日本のIT人材の不足は2025年時点で約45万人。地方の中小企業では、「DXを進める担当がいない」と答えた会社が78%にのぼります(中小企業白書 2024)。みんな同じ穴を取り合っています。正攻法で「ITに強い人を1人採る」は、いちばん競争が激しい戦い方なんです。

02勘違い①「ITに強い人を1人雇えば解決する」

経営目線業務理解IT・ツール選定現場を動かす力続ける根気1人1人に全部求めると、その人がつぶれる。外の力と分担する
図:本当は、5つの力が同時にいる

山口の製造業A社(従業員32名・仮のお話です)。社長は3年前から「うちにもIT担当がいる」と考えていました。地元の求人サイトに「IT人材募集」。応募はゼロ。条件をゆるめて、やっと来たのが20代の若手。「IT系の学校を出ていて、PCは詳しいです」。手取り22万で契約しました。

入社3ヶ月で、こうなりました。

半年で辞めました。今は同じ問題が、また振り出しです。

本当は、5つの力が同時にいる

中小企業の「IT担当」は、実はこれだけの力を一度に求められます。

必要な力中身
① 経営目線会社全体の利益の構造が分かる
② 業務理解現場で何が起きてるか、つかめる
③ 技術を選ぶ目ITツールの良し悪しを見分ける
④ 現場を動かす力ベテランに変化を促せる人間力
⑤ 実装を進める力計画を立てて、最後までやり切る

これを20代の若手ひとりに求めるのは、無理があります。5つ全部を持っている40代以上の人は、年収1,000万円以上で、東京の大企業がとっくに押さえています。地方の中小が正社員1人で捕まえるのは、構造的にしんどい。それだけの話です。

▷ 注意:「若い子ならITに強いはず」は、思い込みです。スマホは得意でも、会社のシステムを選んで、現場を動かすのは別の力。年齢と、この5つの力は関係ありません。

03勘違い②「DXコンサルに頼めばやってくれる」

山口の卸売業B社(従業員18名・仮のお話です)。社長は東京のDXコンサル会社に頼みました。初回で「DX診断レポートを200万円で作ります」。契約。3ヶ月後、立派なレポートが届きました。業界トレンド分析50ページ、競合事例30ページ、現状分析と提言40ページ。

「で、何から始めたら?」と聞いたら、「実装支援は別契約です。500万円かかります」。頼んでも、東京から月1回来るだけ。現場の声は聞かない。報告書だけが増える。半年で契約解除。本棚に、200万円のレポートが眠っています。

これ、コンサル会社が悪いわけじゃないんです。多くのDXコンサルは、レポートを作って納品するのが仕事。実行は「お客様で」か「別料金」。大企業なら、レポートを実行できる社員が社内にいます。でも、中小企業にはその実行できる人がいない。だから、絵に描いた餅で終わります。

レポートが要るんじゃない。一緒に手を動かす人が、要るんよ。
── ある建設業の社長さんの一言

04勘違い③「うちはDXなんて10年早い」

山口の建設業C社(従業員26名・仮のお話です)。社長の口ぐせは「うちはまだ紙とExcelの世界。DXなんて10年早い」。でも、ちょっと手をつけてみたら、3ヶ月でこうなりました。

社長のひとこと。「DXって難しいと思ってたけど、要は今やってることをデジタルに置き換えるだけやった」。「IT化」と「DX」を分けて考える人が多いけど、中小企業にとっては同じこと。今やってる仕事を、デジタルでラクにする。それ以上でも以下でもありません。「まだ早い」と言ってる社長ほど、今すぐ動いたほうがいい。

▷ ここがコツ:いきなり全部やろうとしない。「集計に時間がかかってる仕事」を1つだけ選んで、そこから置き換える。C社も、最初は工事台帳ひとつからでした。

053つの手を、表で見比べる(費用つき)

うちは、どの手やろ?社内に育てる時間とお金の余裕がある正社員採用立派な計画書が要る。実行は社内でできるDXコンサル外注設計も実行も、一緒にやってほしい外部CDO(月額)
図:やりたいことで、選ぶ手が変わる

「ITに強い人が来ない」を解く手は、正社員だけじゃありません。手は3つ。月あたりのお金も、正直に並べます。

やり方月あたりの目安中身中小に合うか
正社員で
雇う
80万円〜
(年収1,000万円〜)
5つの力を1人に。そもそも採用が難しい✕ 採用が難所
DXコンサルに
外注する
200万円
/3ヶ月
立派なレポート。実装は別料金・別契約△ 報告書で
終わりがち
外部CDOを
月額で借りる
20〜50万円月2〜4回通って、一緒に手を動かす◎ 経営の相棒
になる

やりたいことで、選ぶ手が変わります。ざっくり、こんな分かれ方です。

「うちは、どの手やろ?」で選ぶ
社内に育てる時間と
お金の余裕がある
正社員採用
立派な計画書が要る。
実行は社内でできる
DXコンサル外注
設計も実行も、
一緒にやってほしい
外部CDO(月額)

▷ 注意:ここの金額は相場の目安です。会社の規模や関わり方で変わります。実際の費用は、話を聞いたうえで確認してください。

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06外部CDOって何? 月いくら?

C社が選んだ「別の手」。それが外部CDOです。CDOは Chief Digital Officer の略で、直訳すると「最高デジタル責任者」。会社全体のデジタル化を、経営の目線で設計して進める役です。トヨタもユニクロも、社内にこの人がいます。

大企業では、CDOは年収数千万円の正社員ポスト。中小企業がそれを正社員で雇うのは無理です。そこで出てきたのが、月額の顧問として、外からCDOを借りる形。月に2〜4回、現場に通って、一緒に進めます。レポートを置いて終わり、ではありません。

費用は月20〜50万円。決して安くありません。でも、ITに強い社員を1人雇うより5分の1以下。しかも、いろんな会社で場数を踏んだ人が、隣で手を動かしてくれます。採用のように「来るか来ないか」で悩む必要もありません。同じ「デジタル化を任せる」でも、月あたりの負担はこれだけ違います。

正社員のCDOを雇うと
月80万円〜
外部CDOを月額で借りると
月20〜50万円

▷ 注意:金額は相場の目安です。会社の規模や通う回数で変わります。実際の費用は、話を聞いたうえで確認してください。

頼んでから、何が始まる?

「借りる」と決めたあと、いきなりツールを買うわけではありません。順番があります。

STEP 1
診断(まず見る)
現場に入って、どこに時間がかかっているかを確かめる。
STEP 2
設計(順番を決める)
どこから手をつけるか、経営の目線で優先順位をつける。
STEP 3
伴走(一緒にやる)
月2〜4回通って、ツール選びから運用まで隣で手を動かす。
STEP 4
定着(社内に残す)
その人が抜けても回るよう、社内にやり方を残していく。

07向いてる会社・向いてない会社

正直に言います。外部CDOは、全部の会社に向いてるわけじゃありません。

向いてる会社向いてない会社
社員10〜50名くらい5名以下(社長がやれば十分)
社長がDXに本気「とりあえずDXと言いたい」だけ
前向きな若手が現場にいる全員「今のままでいい」派
年に500万くらいのIT投資ができるIT投資ゼロが基本
3年かけて変える気がある「半年で結果を出せ」と迫る

かんたんセルフチェック

次のうち4つ以上あてはまったら、外部CDOを考えるタイミングです。

▷ ここがコツ:1人の正社員に全部背負わせない。5つの力を1人に求めると、その人がつぶれます。外の力と分担する。これが、いちばん現実的です。

08もう一歩くわしく:用語・つまずき・ケース

用語を、かみ砕く

用語この記事での意味
CDOChief Digital Officer。会社全体のデジタル化を、経営の目線で設計して進める役
外部CDO(CDO代行)そのCDOを、月額の顧問として外から借りる形。月に2〜4回、現場に通う
IT化とDXIT化は今の仕事をデジタルに置き換えること。DXは会社の動き方・決め方を変えること。まずIT化でいい
属人化仕事がベテラン1人の頭の中にしかない状態。その人が休むと止まる

よくあるつまずきと、直し方

つまずき直し方
「若いからITに強い」で採るスマホが得意と、業務システムを選んで現場を動かすのは別の力
立派なレポートで満足する実装と伴走がないレポートは本棚行き。「で、何から?」に答える相手を選ぶ
社長が丸投げする外部CDOは一緒に進める相手。社長の時間と判断は要る
DXを大ごとに考えて動けない紙の台帳をクラウドに、領収書をスマホで。置き換えから始める
1か月目今の仕事の流れを全部書き出す(入れない)2か月目同じ数字を3か所に打つのをやめる。日報をクラウドに3か月目月次の数字が翌月5日に出る4か月目〜現場の声を聞きながら、次の1つへ
図:外部CDO 最初の3か月の進み方(仮の例)

ケースで見る(仮の例)

周南の金属加工(社員28名・仮の例)。社長は3年、IT担当の正社員を探していました。来ない。やっと来た人は半年で辞めた。そこで外部CDOを月2回で契約。最初の1か月は、何も新しいものを入れませんでした。やったのは、今の仕事の流れを全部書き出すこと。

書き出してみると、同じ数字を3か所に手で打っていた。まずそこだけをつなぐ。2か月目に、日報をクラウドに。3か月目に、月次の数字が翌月5日に出るようになった。社長の言葉は「大がかりなことは何もしてない。順番を決めてくれただけ」。

外部CDOの値打ちは、魔法のツールではありません。会社全体を見渡して、順番を決めて、現場と一緒に手を動かすこと。その設計する力を、正社員1人分より軽く借りる。そういう道具です。

▷ ここだけは
  • 5つの力を1人に求めない。外と分担する
  • レポートではなく、一緒に手を動かす相手を選ぶ
  • まずIT化(置き換え)でいい。DXは後からついてくる

09よくある質問

求人を出しても、ITに強い人が本当に来ません。何が悪いんですか?
やり方が悪いわけじゃありません。IT人材は全国で45万人足りず、みんなが同じ人を取り合っています。地方の中小が正社員1人で捕まえるのは構造的に難しい。採用だけに賭けず、外注や月額の顧問も選択肢に入れてください。
若い子を雇えば、DXは進みますか?
「若いからITに強い」は思い込みです。スマホが得意でも、業務システムを選び、ベテランを動かし、経営目線で判断するのは別の力。この5つを1人に求めると、たいてい半年で辞めます。
DXコンサルと外部CDOは、何が違うんですか?
コンサルはレポートを作って納品するのが主。実行は別料金か「お客様で」。外部CDOは月2〜4回、現場に通って一緒に手を動かします。中小企業は実行できる人が社内にいないので、手を動かす人のほうが向きます。
外部CDOは、月いくらかかりますか?
相場は月20〜50万円です。正社員のCDO(年収1,000万円=月80万円〜)の5分の1以下。金額は会社の規模や通う回数で変わるので、最終的には話を聞いたうえで確認してください。
うちは5名の会社です。それでも頼むべき?
5名以下なら、まずは社長自身が「集計に時間がかかってる仕事」を1つデジタルに置き換えるところから。外部CDOは、社員10〜50名くらいで効いてきます。
荒金
合同会社Ring's / 山口・周南で中小企業の経営に伴走。CDO代行・M&A・補助金・採用まで
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読んで終わりにしない。合うところから、ひとつだけ。

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