「外部CDOって、月いくらで、どんな会社が向いてるんですか?」。よく聞かれます。正直に言うと、向いてない会社もあります。ちゃんと、あります。契約をやみくもに勧めるより、「あなたの会社に本当に要るか」を一緒に考える。それがこの仕事の最初の役目だと思っています。今日は、費用の相場と、向き・不向きをそのまま書きます。自分の会社に当てはめながら読んでください。うちは外部CDOをやっている会社ですが、それでも「今は要らない」と言うことがあります。要らない時に入れても、お金だけ消えて何も変わらないからです。
01その前に。「DXの目的」が言えるか
費用の話をする前に、1つだけ確認してください。ここが「言えない」なら、月いくら払っても効きは半分です。
| チェック | 言える | 言えない |
|---|---|---|
| DXの目的 | 「何のためにDXをやるか」を自分の言葉で言える → 次へ | まず社内で整理を |
| 社長の関与 | 社長自身が、DXに関わる気がある → 次へ | CDOより先にやることあり |
▷ ここがコツ:「目的」は立派じゃなくていい。「日報の集計に週3時間とられてるのをなくしたい」で十分。むしろ、それくらい具体的なほうが進みます。
02頼むべき会社は、この3タイプ
① DXを設計できる人が、社内にいない
社員10〜50名くらいで、「IT担当」はいるけど、実際はPCの管理や簡単な操作が主な仕事。こういう会社、すごく多いです。DXを設計できる人――業務の流れを見渡して、デジタル化の順番を決めて、ツール選びから効果の測り方まで一貫してやれる人――を正社員で採ろうとすると、年収600〜1,000万円以上の市場になります。この「設計する力」を、正社員を1人増やさずに、月額の顧問として確保する。それが外部CDOの使いどころです。
② ツールは入れたが、成果が出ない
「クラウド会計を入れた」「営業管理のソフトを入れた」「チャットを入れた」。でも、誰も使わない。データも取れてない。仕事はラクになってない。これ、よく聞きます。本当の原因は、ツールじゃありません。設計がなかっただけ。外部CDOが最初にやるのは、新しいツールを足すことじゃない。「なぜ使われないのか」を、現場に入って解きほぐすことです。
③ 社長がひとりでDXを背負っている
「進めようとしても、社員が乗り気じゃない」。「相談できる相手が、社内にいない」。このケースでは、外部CDOが経営の壁打ち相手になります。社員に変化を求める前に、社長自身が「方向と、その根拠」を持っておく必要があります。外の人間と定期的に話すだけで、その整理はぐっと速くなります。ひとりで抱えなくていい、という話です。
03今は頼まなくていい会社(3つ)
ここが、いちばん正直に書きたいところです。次に当てはまるなら、今すぐの契約は要りません。
① DXを「やらされてる」感が強い
「補助金の条件だから」「業界の流れだから」。外からの義務感だけで進めても、費用に見合う成果は出ません。まず「なぜやるのか」を社内で腹落ちさせてから。順番が逆だと、続きません。
② 対話の時間が、どうしても取れない
外部CDOとの月1〜2回のミーティングや、課題の共有には、社長の時間と気力が要ります。「会ったとき以外は何もしない」「宿題がたまる一方」だと、残念ですが成果につながりません。最低でも、月1〜2時間の対話と、社内で橋渡しをする担当者が要ります。
③ 資金繰りが厳しい時期
月額の顧問費用を優先するより、まず事業の足元を固めるべき時期もあります。外部CDOは「攻めのDX」を支える仕事。守りが固まってから、攻めるタイミングで使うのが王道です。
04頼むべき/不要を、1枚のチェック表で
見るのは2つだけ。「DXへの意欲・社長の本気度」と、「社内に設計できる人がいるか」。この2つで、だいたい見えます。
| あなたの会社は? | 今どうする | 判定 |
|---|---|---|
| 意欲が高く、社内に設計できる人がいない | 設計と実行を、月額で借りる | ◎ 最も向く |
| 意欲は高いが、設計できる人は社内にいる | まず社内で回す。詰まったら相談 | △ 今は保留 |
| 意欲はあるが、対話の体制がまだない | 橋渡し役を決めてから | △ 準備が先 |
| 意欲も低く、目的も定まっていない | 目的づくりから。契約は時期尚早 | ✕ 不要 |
「あなたはどれ?」で選ぶと、こう分かれます。
設計できる人がいない
タイミング
体制がまだ
決めてから
資金繰りが厳しい
頼まなくていい
05費用の相場。月いくらかかるのか
いちばん知りたいのは、ここだと思います。正社員で「設計できる人」を採る場合と、外部CDOを月額で借りる場合を、並べて見てください。
| 頼み方 | 費用の目安 | 中身 |
|---|---|---|
| 正社員で 採る | 年収600〜 1,000万円 | 設計できる人材の市場相場。採用そのものが難関 |
| 外部CDO (月額顧問) | 月40〜50万円 | 月1〜2回以上、現場に通って設計と実行に伴走 |
月40〜50万円は、決して小さくありません。でも、正社員の設計人材を採るより身軽で、採用のように「来るか来ないか」で悩む必要もない。守りが固まっていて、攻めたい会社には、じゅうぶん見合う投資です。
▷ 注意:ここは相場の目安です。会社の規模、通う回数、関わる範囲で変わります。実際の金額は、話を聞いたうえで最新の条件で確認してください。
DXコンサル外注とは、何が違う?
「東京のDXコンサルと、どこが違うの?」もよく聞かれます。並べると、こう違います。
| 見るところ | DXコンサル外注 | 外部CDO(月額顧問) |
|---|---|---|
| 納品物 | 分厚い診断レポート | 現場で動く仕組みと、社内に残る型 |
| 現場に 入るか | 月1回、報告に来るだけのことも | 月1〜2回以上、現場に入って一緒に動く |
| 実行 | 「お客様で」か、別料金・別契約 | 設計から実行まで、伴走の中に含む |
| 費用の 形 | 300万円/3ヶ月 など一括が多い | 月40〜50万円 の月額 |
| 中小との 相性 | 実行できる社員が社内に要る | 実行役がいなくても回りやすい |
06失敗しない、外部CDOの選び方
外部CDOを選ぶとき、いちばん大事なのは正直に話せる関係です。「うちに要るのか」を正直に診てくれて、要らないなら「今は要らない」と言ってくれる。そういう相手を選んでください。見極めるポイントは、この3つです。
- まず診断、次に提案。会って早々「契約しましょう」の人は要注意。最初から契約ありきにしない相手を選ぶ。
- 現場に入って設計する。報告書だけ渡して終わりにしない。一緒に手を動かしてくれるか。
- 社員を巻き込む。社長だけが分かっていても、会社は動かない。現場を巻き込めるか。
参考までに、うちは今、外部CDOとして3社と伴走しています。数を増やすより、1社ずつちゃんと現場に入る。それがうちのやり方です。月40〜50万円をいただく以上、抱えられる数には限りがあります。そこは正直にお伝えします。
相談してから、始まるまでの流れ
「頼む」と決めても、いきなり契約ではありません。この順で進みます。
07もう一歩くわしく:用語・つまずき・ケース
用語を、かみ砕く
| 用語 | この記事での意味 |
|---|---|
| DXの目的 | 「日報の集計に週3時間とられているのをなくしたい」くらい具体的でいい。立派でなくていい |
| 設計できる人 | 業務の流れを見渡し、順番を決め、ツール選びから効果の測り方まで一貫してやれる人 |
| 橋渡し役 | 社内で外部CDOと現場をつなぐ人。社長でなくていいが、決める権限は要る |
| やらされDX | 補助金の条件・業界の流れなど、外からの義務感だけで進めること。続かない |
よくあるつまずきと、直し方
| つまずき | 直し方 |
|---|---|
| 目的が言えないまま契約する | 月いくら払っても効きは半分。まず「何をなくしたいか」一つ |
| 対話の時間が取れない | 月1〜2回の打ち合わせと宿題に、社長の時間が要る。取れないなら今じゃない |
| 資金繰りが苦しい時期に始める | まず守りを固める。攻めはその後でいい |
| 契約ありきの相手を選ぶ | 「今は要らない」と言ってくれる相手を選ぶ。まず診断、次に提案 |
ケースで見る(仮の例)
山口市の卸売業(社員20名・仮の例)。社長は「DXをやらないと」と焦っていました。目的を聞くと「業界がそう言うから」。この段階では、契約を勧めませんでした。代わりに30分、困りごとを棚卸し。出てきたのは「受注の電話を事務が聞き間違える」という一点。
それなら、やることは小さい。注文をフォームで受ける。電話の人には事務が代わりに入力する。これだけで聞き間違いが月10件からゼロになった。ここで初めて社長が言いました。「次は、在庫も見えるようにしたい」。
目的が自分の言葉になった瞬間です。ここからなら、外部CDOの月額が効きます。順番は、目的が先。契約は後。焦って逆にすると、お金だけが出ていきます。
- 目的は具体的でいい。「週3時間をなくしたい」で十分
- 意欲と、設計できる人の有無。この2軸で見る
- 「今は頼まなくていい」と言う相手が、信用できる相手