AI導入の進め方
中小企業が戻らないための5つの順番
「AIを入れよう」と決めた会社が、次に迷うのが順番です。 ここでは5つの順番を、そのままなぞれる形で書いています。3番目から始めてしまう会社が多く、それが戻る原因になります。
順番を守る理由
順番を守る理由は1つです。成果が見える前に、社内の熱が冷めるから。
AIの話は最初だけ盛り上がります。3か月たっても何も変わらなければ、次に提案しても誰も乗ってきません。だから最初の1つを早く形にして、社内に見せる。その順番になっています。
① 困りごとを出す
紙かホワイトボードに、こう書き出します。「誰が」「どの作業に」「週に何時間」。
きれいにまとめる必要はありません。数が大事です。20〜30個あれば、選ぶ材料になります。
書き出すと、社内で当たり前になっていた作業が見えてきます。「これ、毎週2時間かけてたのか」という発見が、いちばんの収穫です。
② 1つだけ選ぶ
次の3つを全部満たすものを、1つだけ選びます。
- 毎週くり返している:月に1回の作業だと、慣れる前に忘れます。
- 失敗しても被害が小さい:社外にそのまま出るものは、最初に選びません。
- 出来を判断できる人がいる:良し悪しが分からないと、直しようがありません。
③ 小さく試す
期間は2〜4週間。人はひとり、または一部署に絞ります。
この間にやることは2つだけです。実際の仕事で使ってみること。そして、うまくいった頼み方を、そのまま残しておくことです。
残し方は、メモ帳に貼り付けるだけで構いません。この蓄積が、次の④で効いてきます。
④ 型にする
試して分かったことを、手順として文章にします。
「この場面では、こう頼む」「この結果は、ここを人が直す」。この2つが書いてあれば型になります。
型ができると、担当が変わっても同じ結果が出せます。属人化を避けるのは、この段階の仕事です。
⑤ 横に広げる
同じ型が使える部署に渡します。渡すのは道具ではなく、型です。
ここまで来て初めて、全社の話になります。順番として最後にあるのは、うまくいった実例が社内にあるほうが、話が早いからです。
始める前の確認
よくある質問
- 全部いっぺんに進めたいのですが。
- 止めはしませんが、戻ることが多いです。同時に3つ以上を動かすと、どれも中途半端になり、成果が見えないまま終わります。
- ①の書き出しは、誰がやりますか。
- 現場の人です。社長が思う「大変な仕事」と、現場が感じている「面倒な仕事」はよくずれます。実際に手を動かしている人に書いてもらってください。
- 試してみて、うまくいかなかったら。
- それも収穫です。「この仕事は向かない」と分かれば、次の候補に移れます。2〜4週間で区切りをつけるのは、そのためです。
- ④の「型にする」が難しそうです。
- うまくいった頼み方をそのままコピーして、手順書に貼るだけで足ります。きれいな文書にする必要はありません。次の人が同じ結果を出せれば十分です。
困りごとを2つ選ぶだけ。合う入口と、始め方の順番をご案内します。設計から実行まで一緒に進める外部CDO(月額)もあります。