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山口で人が採れない・辞める。中小企業が人手不足を乗り越える5つの実践策【2026年版】

松添 栞士郎 🗓 2026.08.07 ⏱ 約13分
人材 山口で人が採れない・辞める。
乗り越える5つの実践策とエリア別傾向。
目次
  1. なぜ「山口×人材」が、こんなに難しいのか
  2. 乗り越える5つの実践策(全体像)
  3. 実践策① 会社の「顔」を発信する
  4. 実践策② 地元の学生と「接点」を持つ
  5. 実践策③ 外国人材・特定技能という選択肢
  6. 実践策④⑤ 育てる仕組みと、やらない仕事
  7. エリア別の、人材の傾向(比較表)
  8. もう一歩くわしく:用語・つまずき・ケース
  9. よくある質問
  10. 今日からの一歩

「山口で人が採れん」「採れても、定着せん」。県内で経営している方なら、一度は口にした言葉やと思います。山口の中小企業を回っていると、業種を問わず、ほぼ全部の社長がこの悩みを抱えています。これは景気の問題ではありません。構造の問題です。だから、やり方を変えないと届かない。この記事では、なぜ山口で採れないのかを整理して、明日から動かせる5つの実践策、エリア別の傾向、よくある質問までまとめます。周南・下松・防府・宇部などにも触れます。

01なぜ「山口×人材」が、こんなに難しいのか

1若い子が、県外に出ていく問題は出ることより、戻る理由がないこと2「即戦力」を県外の大企業と取り合っている同じ土俵で戦っても勝てない3「会社の顔」が見えていない条件が同じでも、顔が見えない会社は選ばれない
図:採れない背景にある、3つの構造

まず、なぜ採れないのか。背景にある構造を、3つに分けて置いておきます。ここが分かると、打ち手がぶれません。

構造① 若い子が、県外に出ていく

高校や大学を出た若者の多くが、進学や就職で広島・福岡・関西・首都圏へ出ます。問題は「出ていくこと」そのものより、戻ってくる受け皿が地元で見えていないこと。魅力的な働き口が、県外に出た学生に届いていないんです。

構造② 「即戦力」を、県外の大企業と取り合っている

多くの会社が「経験者がほしい」「即戦力がほしい」と言います。気持ちは分かります。でも、即戦力は待遇で勝る都市部の大企業や、地元の大手・公務員が先に押さえています。同じ土俵で取り合っても、中小企業が勝てる構造になっていないんです。

構造③ 「会社の顔」が見えていない

求人広告にお金をかけても応募が来ない。その多くは、広告の中身ではなく「この会社で働く自分」が想像できないことが原因です。社長がどんな人で、どんな想いで、どんな仲間と働いているか。その顔が見えない会社は、条件が同じなら選ばれません。

▷ 注意:全国の労働人口の見通しは、試算によって数字に幅があります。減っていく向きは共通ですが、正確な数字を引くときは出典で確認してください。

人材不足を「採用予算が足りんから」と思っとるうちは、解決せん。要るのは、予算を増やすことやなくて、戦い方を変えることです。
── 山口・周南の現場から

02乗り越える5つの実践策(全体像)

1会社の「顔」を発信する社長の想い・社員の声を、続けて出す2地元の学生と接点を持つ採用の手前から、関係を作る3外国人材・特定技能母集団を広げる。丸投げはしない4育てる仕組みに投資する未経験者を半年で戦力に5「やらない仕事」を決める人が足りないなら、仕事も減らす
図:この順番で手をつけると、無理がない

ここから、明日から動かせる5つの実践策です。まず、全体を先に見ておきます。この順番で手をつけると、無理がありません。

STEP 1
会社の「顔」を発信する
社長の想い・社員の声を、続けて出す。
STEP 2
地元の学生と接点を持つ
採用の手前から、関係を作る。
STEP 3
外国人材・特定技能
母集団を広げる。体制づくりが先。
STEP 4
育てる仕組みに投資
未経験を半年で戦力にする。
STEP 5
やらない仕事を決める
仕事の量を減らす。これも人材戦略。

5つ全部を一度にはできません。今の悩みで、最初の一手を選びます。

「うちは、どこから?」で最初の一手を選ぶ
応募が、
そもそも来ない
実践策①
会社の顔を発信
採れても、
すぐ辞める
実践策④
育てる仕組み
日本人だけでは
母集団が細い
実践策③
外国人材

03実践策① 会社の「顔」を発信する

最初の一歩は、求人媒体を増やすことではありません。自社の「顔」を言葉にして、発信することです。具体的には、こういう情報を、自社サイトやSNS、採用ページで、続けて出していきます。

給料や休日の勝負では、大企業に勝てません。でも「ここで働きたい」という共感は、地方の中小企業でも作れます。むしろ、顔が見える分だけ有利です。

▷ ここがコツ:立派な採用サイトはいりません。まず、社長がスマホで「なんでこの仕事を始めたか」を3分しゃべって、それを文字にするだけ。飾らない言葉のほうが、若い子には届きます。給料も、出せる範囲で相場の+10〜20%を目安に。ここをケチると、そもそも土俵に乗れません。

04実践策② 地元の学生と「接点」を持つ

県外流出を嘆く前に、地元にいるうちに接点を作ること。山口県内の高校生・大学生・専門学校生と、就活の前から関係を作っておくのが効きます。インターン、職場見学、カジュアル面談、地域のイベントへの参加。「採用」の手前の接点です。

Ring'sが運営する人材紹介アプリ「社長の顔」は、まさにこの課題に取り組むサービスです。周南圏域の学生と地元企業の社長を、直接つなぐ。面接の前に「人」を知ってもらう。周南圏域に特化した採用支援「社長の顔」では、紹介手数料なしのモデルで、地元企業の採用を後押ししています。

▷ ここがコツ:接点は、いきなり採用の話にしない。職場を見せて、飯を食う。それくらいでいい。「この社長、ええ人やな」が、いちばんの採用活動になります。

05実践策③ 外国人材・特定技能という選択肢

日本人だけで採用を完結させようとすると、そもそもの母集団が先細りします。製造・建設・介護・農業・外食など、山口でも特定技能をはじめとする外国人材が、現場の中核を担う場面が増えています。

ただし「登録支援機関に丸投げ」は、失敗のもとです。受け入れの体制、生活の支援、社内の受け入れ意識まで含めて設計する。ここまでやって、はじめて定着します。詳しくは日本人と外国人、後悔しない5つの見きわめもあわせて読んでみてください。

▷ 注意:特定技能の対象分野や在留の要件は、制度改正で変わります。採る前に、出入国在留管理庁など公式の最新情報で確認してください。あわせて、「安く人手が増える」で始めないこと。日本語教育や生活サポートの手間まで見て、体制を作ってから採る。順番を間違えないでください。

「うちの会社、山口でどう採ればいい?」
周南圏域の現場に合わせて、いっしょに考えます。

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06実践策④⑤ 育てる仕組みと、やらない仕事

実践策④ 「育てる仕組み」に投資する

即戦力が採れないなら、未経験者を半年で戦力にする仕組みを社内に作る。これが、地方中小企業の現実的な勝ち筋です。特別な才能はいりません。仕組みです。

一度、仕組みを作ってしまえば、次からは「育てられる人」を採ればよくなります。採用のハードルそのものが、下がります。

実践策⑤ 「やらない仕事」を決める

いちばん見落とされがちな打ち手が、これです。「人が足りん」と言いながら、全部の仕事を維持しようとしていないか。人手が足りないなら、仕事の量を減らすしかありません。

社長の仕事は、「やる」を増やすことではなく「やらない」を決めること。これも、立派な人材戦略です。

5つの実践策は、接点から定着まで、ひとつながりです。全体を図で見ておきます。

STEP 1
接点をつくる
職場見学・カジュアル面談。採用の手前から。
STEP 2
会社の顔を知ってもらう
社長の想い・社員の声。人で選んでもらう。
STEP 3
入社
条件だけでなく「ここで働きたい」で決める。
STEP 4
半年で戦力に育てる
マニュアルと毎月の面談。小さく渡す。
STEP 5
定着
放置しない。辞めない理由を、会社が作る。

07エリア別の、人材の傾向(比較表)

同じ「山口の人材」でも、エリアで労働市場の顔つきが違います。自社の場所に近い特徴を踏まえて、打ち手を選んでください。

エリア産業の顔つき効く打ち手
周南・下松・光製造業・コンビナート系が集まる。技術系・現場人材の需要が高い地元学生との早い接点づくり
山口市・防府県庁所在地。事務・サービス職の競合が多い待遇より「働く意味」を打ち出す採用ブランディング
宇部・山陽小野田化学・製造の基盤。中堅技術者の高齢化が進む育成の仕組み化と、外国人材の活用
岩国広島都市圏との人材の取り合い県外通勤・移住者も視野に入れた発信
萩・長門人口減少が顕著UIターン・副業人材・業務の取捨選択をセットで

08もう一歩くわしく:用語・つまずき・ケース

用語を、かみ砕く

用語この記事での意味
会社の顔社長の想い・社員の声・働く1日。応募前に候補者が見るもの
接点採用の手前で、地元の学生と関係を作ること。インターン・職場見学・カジュアル面談
即戦力の取り合い県外の大企業と同じ土俵で戦うこと。構造的に勝ちにくい
やらない仕事人が足りないなら、仕事も減らす。その決断

よくあるつまずきと、直し方

つまずき直し方
求人媒体を増やすことから始める先に自社の顔を言葉にして発信する
就活の時期に初めて学生と会うその前から接点を。採用の手前の関係づくり
外国人材を登録支援機関に丸投げ受け入れ体制と社内の説明が先
「給料が安いから採れない」で止まる条件が同じでも顔が見えない会社は選ばれない。言葉が先
1会社の「顔」を発信する社長の想い・社員の声を、続けて出す2地元の学生と接点を持つ職場見学・インターン・カジュアル面談3外国人材・特定技能も選択肢に丸投げはしない。受け入れ体制を先に4育てる仕組み/やらない仕事未経験者を半年で戦力に。仕事も減らす
図:5つの実践策を、この順番で

ケースで見る(仮の例)

萩市の水産加工(社員18名・仮の例)。「若い子が県外に出ていく」と嘆いていました。やったのは5つのうち、まず①と②。社長の想いと社員の声を月2回、自社サイトとSNSに。地元の高校に職場見学の受け入れを申し出た。

1年で、見学に来た高校生のうち2人が入社。どちらも「家から近い会社で、何をやっているか見えたから」。給料は変えていません。見えるようにしただけ。

エリアで労働市場の顔つきは違います。でも共通するのは、顔が見えない会社は選ばれない、ということ。打ち手の一つ目は、いつも「顔」です。

▷ ここだけは
  • 発信が先、媒体は後。顔が見えない会社は選ばれない
  • 就活の前に接点。見学・インターン・面談
  • 採る以外の道(外国人材・育てる・やらない仕事)も同時に

09よくある質問

山口で人が採れんのは、給料が安いからですか?
給料は要因のひとつですが、本質ではありません。条件が同じでも「会社の顔が見えない」会社は選ばれません。まず自社の魅力を言葉にして、発信することが先です。出せる範囲で、相場の+10〜20%も目安に。
求人広告にお金をかけても、応募が来ません。
広告の「中身」より、その手前の会社の発信と接点づくりを見直してください。求職者が「ここで働く自分」を想像できる情報があるか。それが応募数を左右します。
中小企業でも、外国人材を受け入れられますか?
できます。特定技能などの制度を使えば、製造・建設・介護・外食などで受け入れができます。ただし支援機関への丸投げは失敗のもと。受け入れ体制と定着支援まで設計することが大事です。
何から手をつけたらいいか、分かりません。
まず「採る・育てる・諦める(業務を削る)」の3軸で、今の自社の比率を紙に書き出してみてください。そのうえで、足りない軸から着手すると、無理なく動き出せます。

10今日からの一歩

むずかしく考えなくて大丈夫です。今日やることは、一つだけ。

山口の人材不足は、この先10年以上続く構造の変化です。「いつか人が来れば」と願っても、状況は変わりません。でも、採用・育成・外部活用を組み合わせて組み立て直した会社は、この時代だからこそ強くなれます。そういう会社が地元に増えれば、若い子が「山口で働きたい」と思える場所も増えます。

松添 栞士郎
合同会社Ring's 代表 / 山口・周南で中小企業の経営に伴走
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