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地元補助金

設備投資の補助金は、「国・県・市の3階建て」で考える

荒木 🗓 2026.08.12 ⏱ 約8分
地元補助金 設備投資の補助金は「合わせ技」。
国 × 県 × 市を、3階建てで。
目次
  1. 設備投資の補助金は「3階建て」で考える
  2. 1階:国の補助金(大きい・計画が要る)
  3. 2階:山口県のDX推進補助金
  4. 3階…ではなく1階:周南市の省エネ設備補助金
  5. 結局どれ?(分岐図で選ぶ)
  6. 併用のルール(原則、二重取りはできない)
  7. 全部「後払い」。自己資金の話
  8. もう一歩くわしく:用語・つまずき・ケース
  9. よくある質問

「機械も入れたい、システムも欲しい、ついでに古い空調も替えたい」。設備投資の相談は、だいたい欲張りから始まります。使える補助金は、国にも県にも市にもある。ばらばらに見ると混乱します。頭の中を「国・県・市の3階建て」で整理すると、迷いません。この記事では、それぞれの上限額・締切・選び方・併用のルール・後払いの話まで、順番にまとめます。

01設備投資の補助金は「3階建て」で考える

3階額は大きい。機械・新事業に。事業計画が必須2階県(山口県)中くらい。DX・システム投資に。計画が要る1階市(周南市)額は小さめ。手続きは軽い。古い設備の入れ替えを手早く
図:出どころで3つの階。上に行くほど額が大きく、計画も要る

設備投資に使える補助金は、出どころで3つの階に分かれます。上に行くほど金額が大きく、そのぶん事業計画づくりの手間も増えます。まずは全体像を、この図で。

1階
市(周南市)
額は小さめ。手続きは軽い。古い設備の入れ替えを手早く。
2階
県(山口県)
中くらい。DX・システム投資に。計画が要る。
3階
額は大きい。機械・新事業に。しっかりした事業計画が必須。

やりたい投資の大きさで、入る階が変わります。小さな入れ替えなら市、システムや省力化なら県、大きな設備や新事業なら国。まずはこの地図を頭に入れてください。

021階:国の補助金(大きい・計画が要る)

金額がいちばん大きいのが国の補助金です。設備投資でよく使うのは、この3つ。やりたいことで選ぶ枠が変わります。

制度こんな投資に補助上限の目安補助率
省力化投資
補助金
(一般型)
人手不足を、機械や自動化で埋めたい750万〜
8,000万円
(規模による/
大幅賃上げで
最大1億円)
中小 1/2
(賃上げ時 2/3)
小規模 2/3
新事業進出・
ものづくり
商業サービス
補助金
新しい製品・サービス、新分野に挑む2,500万〜
7,000万円
(枠による)
中小 1/2〜
デジタル化・
AI導入補助金
2026
(旧・IT導入)
業務のシステム化・AI・会計ソフトを入れたい最大450万円1/2〜
(小規模は
最大4/5)

国の補助金は、額が大きいぶん審査が本番です。「設備を入れる」だけでは通りにくく、「その投資で会社がどう伸びるか」を数字で語る事業計画が要ります。締切も公募回ごとに決まっていて、待ってはくれません。

▷ 注意:上限額・補助率・締切は、公募回ごとに変わります。ここの数字は目安です。省力化投資補助金は次の公募が2026年8月中旬から予定、デジタル化・AI導入補助金は通年で締切が続きます。出す前に、必ず各制度の最新の公募要領で確認してください。

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032階:山口県のDX推進補助金

国は大きすぎる、市だけでは足りない。その中間を埋めるのが県の補助金です。設備投資でよく出てくるのが「山口県 中小企業DX推進補助金」。システムやデジタルの投資に使えます。

項目先駆型(通常枠)の目安
補助上限500万円
補助率1/2以内
対象者県内に事業所を持つ中小企業(農林漁業を除く)。付加価値額が年率平均3%以上のびるDX計画を持つ会社
窓口やまぐち産業振興財団

DX推進補助金には、ほかにも枠があります(システム構築型、ツール導入型など)。枠によって上限も条件も違います。募集は年に複数回のこともあり、二次募集がかかる年もあります。

▷ 注意:枠・上限・補助率・募集期間は、年度と回で変わります。上の数字は先駆型(通常枠)のある回の目安です。締切は短いことが多いので、やまぐち産業振興財団の最新の募集案内で必ず確認してください。

043階…ではなく1階:周南市の省エネ設備補助金

いちばん身近な1階が、市の補助金です。周南市には「中小企業等省エネ対策設備導入等支援補助金」があります。古い空調やボイラー、照明を、省エネの設備に入れ替えるときに使えます。

項目過去の実施回の目安
補助上限40万円
補助率対象経費の 1/2
対象市内の中小企業。既存設備の省エネ更新(高効率空調・給湯器・ボイラー・冷凍冷蔵・制御機能つきLEDなど)
条件市内業者への発注/事前申請が必要

額は40万円と大きくはありません。手続きは軽く、身近な設備更新に向きます。「まず古い空調だけ替えたい」なら、この1階が入り口です。

▷ 注意:市の補助金は年度で見直され、予算がなくなると期間の途中でも締め切ります。金額・対象は今年度の募集案内で確認してください(周南市 商工振興課 0834-22-8819)。

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05結局どれ?(分岐図で選ぶ)

3つの階を並べると、選び方はシンプルになります。「何を、どこまでやりたいか」で入り口が決まります。

「何を、どこまでやりたい?」で階が決まる
古い空調・照明を
手早く更新したい
市|周南市
省エネ補助金
システム・DXに
まとまった投資
県|山口県
DX推進補助金
機械・新事業に
大きく攻めたい
国|省力化・
ものづくり等

迷ったら、金額と手間のバランスで決めます。国の補助金は額が大きいぶん、計画づくりに数週間はかかります。市の補助金は軽いぶん、額も小さい。自社の体力と、投資の大きさで選んでください。

06併用のルール(原則、二重取りはできない)

国の補助金この機械に市の補助金この空調に同じ経費に二重はNG対象を重ねなければ、組み合わせて受け取れる場合がある。分け方は出す前に窓口へ確認
図:同じ経費に二重はNG。経費をきれいに分ける

「国も県も市も、全部もらえたら最高やん」。気持ちはわかります。でも、そこにはルールがあります。同じ経費に、複数の補助金を二重にかけることは、基本できません。1台の機械の代金に、国と県から両方もらう、はダメ、ということです。

やり方できる?
同じ機械に
国+県
原則できない(同一経費の二重取りは不可)
機械は国、
空調は市
対象を分ければ、できる場合がある
今年は国、
来年は県
時期と事業を分ければ、狙える

合わせ技のコツは、「経費を、きれいに分ける」こと。この設備は国、この設備は市、と対象を重ねない。分け方の設計しだいで、受け取れる総額は変わります。ここは自己流だと危ないので、出す前に窓口や専門家に一度確認してください。

▷ 注意:補助金ごとに「他の補助金との併用の可否」が細かく決まっています。組み合わせを考えるときは、それぞれの公募要領の併用ルールを必ず確認してください。

07全部「後払い」。自己資金の話

1申請 → 交付決定「やっていいよ」の合図。ここまで発注しない2設備を発注・導入交付決定のあとで動く3代金を全額、自社で払うここが立て替え。現金がいる4実績報告 → 補助金が入金報告のあとで精算
図:補助金は後払い。まとまった現金が要る

国も県も市も、共通する大事な点がひとつ。補助金は、後払いです。先に自社でお金を払って、あとから補助分が戻ってきます。この順番を知らないと、資金繰りでつまずきます。

STEP 1
申請 → 交付決定
「やっていいよ」の合図。ここまで契約も発注もしない。
STEP 2
設備を発注・導入
交付決定のあとで動く。順番を間違えると対象外。
STEP 3
代金を全額、自社で払う
ここが立て替え。まとまった現金がいる。
STEP 4
実績報告
使った証拠(請求書・領収書など)をそろえて報告。
STEP 5
補助金が入金
報告のあとで精算。ここでやっと戻ってくる。

つまずきやすいのが2つ。ひとつは「交付決定の前に発注してしまう」こと。もうひとつは「立て替える現金の用意がない」こと。設備代を先に全額払える資金を、計画の段階で確保しておいてください。銀行の融資と組み合わせる会社も多いです。

▷ 注意:交付決定より前に契約・発注をすると、その経費は対象外になります。「安くなるなら早く」と先走らないこと。合図が出てから動く。

08もう一歩くわしく:用語・つまずき・ケース

用語を、かみ砕く

用語この記事での意味
3階建て市(小さい・軽い)→県(中くらい)→国(大きい・計画が要る)の考え方
併用複数の補助金を組み合わせること。同じ経費への二重取りは不可
後払い(精算払い)先に全額を自社で払い、実績報告のあとに補助分が戻る
二次募集予算が残った年に、もう一度かかる募集。県の制度で見かける

よくあるつまずきと、直し方

つまずき直し方
欲張って全部の階に同時に出す投資の大きさで階を決める。まず一つ
1台の機械に国と県を重ねる経費を分ける。この設備は国、あの空調は市
立て替えの現金を用意していない後払い。融資とセットで資金繰りを組む
県の募集期間を逃す県は締切が短いことが多い。財団の案内をこまめに
投資の内訳(仮の例)機械→国システム→県機械→国 5割 / システム→県 3割 / 空調→市 1割財布を分ければ、同じ投資でも受け取れる総額が変わる
図:一つの投資を、国・県・市に分けて設計する(仮の例)

ケースで見る(仮の例)

周南の製材所(社員11名・仮の例)。「機械も、システムも、空調も」と欲張りから始まりました。3階建てで仕分けると、機械は国(省力化)、受注システムは県(DX)、古い空調は市(省エネ)。それぞれ別の財布、別の経費。

同時には出しませんでした。まず市の空調(手続きが軽い)で流れを覚え、次に県、最後に国。立て替えの現金も、順番に回せば無理がない。

結果として受け取れた総額は、全部を一度に狙った場合より多かった。分け方の設計と、順番。設備投資の補助金は、この2つで決まります。

▷ ここだけは
  • 投資の大きさで階を決める。小さいなら市、大きいなら国
  • 同じ経費は一つの財布。分け方を設計する
  • 後払い。立て替えの現金と融資をセットで

09よくある質問

国・県・市、全部もらえますか?
同じ経費に二重取りは基本できません。対象になる設備や経費を分ければ、組み合わせて使える場合があります。分け方の設計が肝心です。
いちばん金額が大きいのは?
国の補助金です。省力化投資補助金は規模により最大数千万円〜1億円の枠もあります。そのぶん事業計画がしっかり必要です。
手続きがいちばん軽いのは?
市の補助金です。周南市の省エネ設備補助金は上限40万円と小さめですが、身近な設備更新に手早く使えます。
お金は先にもらえますか?
どれも後払いです。交付決定 → 発注・導入 → 自社で全額支払い → 実績報告 → 精算、の順。設備代を立て替える現金が要ります。
交付決定の前に発注したら?
その経費は対象外になります。国・県・市すべて共通のルールです。動く前に、合図(交付決定)を待ってください。
どこから相談すればいい?
やりたい投資の大きさで入り口が変わります。まず「何を、どこまでやりたいか」を整理して、市の窓口や専門家に相談すると、狙う階が絞れます。
荒木
合同会社Ring's / 山口・周南で中小企業の経営に伴走

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