ホーム/コラム/地元補助金
地元補助金

「賃上げに使える補助金」を探すと、たどり着くのは設備投資

荒木 🗓 2026.08.11 ⏱ 約8分
地元補助金 賃上げに使える補助金。
山口県と国、2つの道。
目次
  1. 「賃上げの補助金」の正体は、設備投資
  2. 山口県の賃上げ補助金を、表で見る
  3. 対象になる会社(売上が減っている+設備で付加価値UP)
  4. 何に使える?(対象経費)
  5. 今年の申請は、いつだった?(時系列)
  6. 国の賃上げ支援「業務改善助成金」
  7. 県と国、どっちを狙う?
  8. よくある質問

「賃上げに使える補助金、ないん?」。周南の社長さんからよく出る質問です。給料に直接お金が出る、という話をイメージされます。でも実際は少し違います。賃上げ系の補助金の多くは、設備投資に出るお金です。機械やシステムを入れて、会社の稼ぐ力を上げる。その体力で賃上げを続けよう、という組み立てです。この記事では、山口県の賃上げ補助金と、国の業務改善助成金の2つを、対象・金額・締切まで並べて見ていきます。

01「賃上げの補助金」の正体は、設備投資

先に、いちばん誤解されるところをはっきりさせます。賃上げに使える補助金は、給料そのものに出るお金ではありません。人件費は、たいてい対象外です。

出るのは、設備やシステムを入れるお金。自動梱包機や配膳ロボット、無人搬送車(AGV)、注文タブレット。そういう「人の手を減らす道具」に補助が出ます。省力化で余った力を、賃上げに回す。国も県も、この考え方でつくっています。

▷ 覚えておくと得:「賃上げの補助金=人件費が出る」ではなく、「設備を入れて、稼ぐ力を上げるためのお金」。この一点を押さえるだけで、探し方が変わります。

02山口県の賃上げ補助金を、表で見る

山口県には「中小企業賃上げ環境整備支援事業補助金」があります。事務は、県から委託を受けた事務局(宇部市)がしています。会社の規模で2つの枠に分かれます。

補助上限下限補助率募集件数の目安
小規模
事業者枠
100万円10万円1/2以内170件 程度
中小企業者枠500万円50万円1/2以内100件 程度

いちばん大きいのは中小企業者枠で、上限500万円・補助率2分の1以内。小規模事業者枠は上限100万円です。1事業者につき1申請まで。複数の店舗や事業所ごとの申請はできません。

▷ 注意:この数字は令和8年度(調査時点)の募集要領の値です。年度で変わります。出す前に、必ず最新の募集要領で確認してください。

03対象になる会社(売上が減っている+設備で付加価値UP)

「賃上げ」という名前ですが、入り口の条件は少し意外です。ざっくり、この2つを両方みたす会社が対象です。

県内に事業所を持つ中小企業であること、みなし大企業ではないこと、県税の滞納がないこと。ここも条件です。パートナーシップ構築宣言を登録していると、審査で加点されます。

▷ コツ:「売上が減っている」の確認は、決算書や帳簿で3ヶ月を選んで比べます。どの3ヶ月をとるかで、条件をみたすか変わることがあります。数字を並べて、いちばん見やすい組み合わせを選んでください。

賃上げの補助金は、給料に出ない。
稼ぐ力を上げる設備に出る。

「うちは対象になる?どの設備で組む?」
10分の相談で、方向だけ先に決めませんか。

オンライン可 / むずかしい話はしません / 山口・周南の現場に合わせて

まず60秒で「補助金診断」→

04何に使える?(対象経費)

山口県の賃上げ補助金で、使えるお金と使えないお金を並べます。設備が中心で、人件費は出ません。

使えるお金(例)使えない・対象外(例)
設備のリース料・レンタル料(賃借料)
設備設置による施設改修費
備品購入費(1点10万円以上・税抜)
消耗品費(1点10万円未満・税抜)
社員の給料・人件費
事務用のパソコン・タブレット・車両などの汎用品
委託費・役務費・謝金
不動産、敷地整備、建物の新築

設備の例として、募集要領には自動梱包機・配膳ロボット・テーブルオーダーシステム・工場内の無人搬送車(AGV)が挙がっています。消費税は補助の対象外です。1点50万円(税抜)以上のものは、あとで勝手に処分できない財産になります。

▷ 注意:同じ設備に、国・県・市の補助金を二重取りはできません。業務改善助成金など他の制度と、どちらで出すかは先に決めておいてください。

05今年の申請は、いつだった?(時系列)

令和8年度の山口県の賃上げ補助金は、募集の期間が短めでした。スケジュールを並べます。

令和8年4月1日〜4月30日
申請の受付(1ヶ月だけ)
消印・受付印まで有効。調査時点ですでに終了。
令和8年4月1日〜12月31日
事業をやる期間
この間に契約・設置・支払いまで終わらせる。
令和9年1月22日(金)
実績報告・請求の締切
事業完了から45日以内か、この日か、早いほう。

受付は4月の1ヶ月だけでした。今年の分はもう締め切られています。来年度も同じ形で出るなら、年明けから4月にかけてが勝負です。決算や設備の候補を、今のうちから用意しておくと動きが速くなります。

▷ 注意:次の年度に同じ補助金が出るとは限りません。募集の時期・金額・条件は毎年変わります。この補助金は、事務局のサイトで最新を確認してください。

06国の賃上げ支援「業務改善助成金」

県の補助金の受付が終わっていても、国の道があります。それが業務改善助成金(厚生労働省)です。こちらは県のものより、募集の期間が長いのが特徴です。

中身はよく似ています。生産性が上がる設備を入れて、その代わりに社内のいちばん低い時給(事業場内最低賃金)を一定額以上あげる。この約束をすると、設備の費用の一部が助成されます。

▷ 注意:業務改善助成金の上限額・助成率・コースの区分は、年度や申請時期で細かく変わります。金額はここに載せません。必ず厚生労働省の最新の案内で確認してください。

07県と国、どっちを狙う?

2つの制度は、入り口の条件が違います。自社がどっちに当てはまるかで選んでください。

 山口県 賃上げ環境整備支援国 業務改善助成金
入り口の条件売上か利益が減っている+設備で付加価値を上げる計画社内の最低時給を一定額以上あげる
賃上げの位置づけ計画の狙い(稼ぐ力で賃上げを後押し)時給引上げが、そのまま条件
募集の期間短め(今年は4月の1ヶ月)長め(年度を通して募集の年が多い)
上限(目安)最大500万円要確認(コースで変わる)
「うちは、どっち向き?」
売上・利益が
落ちている
山口県の
賃上げ補助金
時給をしっかり
あげていく
国の
業務改善助成金
迷う/両方
気になる
まず相談で
仕分け

同じ設備に両方は使えません。どちらの条件に当てはまりやすいか、募集が開いているのはどちらか。この2つで先に絞ると、動きやすくなります。

08よくある質問

給料そのものに、お金は出ないの?
出ません。賃上げ系の補助金は、設備やシステムを入れる費用に出ます。人件費は、たいてい対象外です。稼ぐ力を上げて、その体力で賃上げを続ける、という組み立てです。
山口県の賃上げ補助金は、いくらまで?
中小企業者枠で上限500万円、小規模事業者枠で上限100万円、どちらも補助率は2分の1以内でした(令和8年度・調査時点)。年度で変わるので、最新の募集要領で確認してください。
売上が減っていないと、県のは無理?
令和7年4月〜令和8年3月の任意の3ヶ月で、売上高か営業利益が前年か前々年より減っていることが条件でした。減っていない場合は、国の業務改善助成金など別の道を考えます。
県と国、両方もらえる?
同じ経費(同じ設備)に、国・県・市の補助金を重ねて使うことはできません。設備ごとに、どの制度で出すかを分けて考えてください。
お金は先にもらえる?
どちらも後払いです。先に自社で立て替えて設備を入れ、実績を報告してから精算されます。資金繰りも計画に入れておいてください。
荒木
合同会社Ring's / 山口・周南で中小企業の経営に伴走